
アルミ缶って、リサイクルされると何になるんだろう?
飲み終わったあと、何気なくリサイクルボックスに入れているアルミ缶。
実は、アルミ缶は何度でもリサイクルできる優秀な素材。
しかもリサイクルによって得られるメリットは、想像以上にたくさんあるのです。
この記事では、アルミ缶をリサイクルすることで何になるのか?
そしてリサイクルのメリットについて詳しく解説します。
リサイクルの現状や課題にも触れながら、私たち一人ひとりができることを考えていきましょう。
Contents
アルミ缶のリサイクルで何になる?再生製品とそのメリットを徹底解説
アルミ缶のリサイクルプロセス

回収から再生までの流れ
アルミ缶のリサイクルは、大きく4つのステップで進められます。
- 回収:家庭や公共のリサイクルボックスで集められたアルミ缶が、リサイクル施設へ運ばれます。
- 選別・洗浄:異物を取り除き、缶をきれいに洗浄します。
- 溶解:高温で溶かしてアルミニウムの原料に戻します。
- 成形:溶かしたアルミをインゴット(塊)やシート状に加工し、再利用可能な素材に仕上げます。
このプロセスを経て、アルミ缶はさまざまな新しい製品に生まれ変わります。
エネルギー効率と環境への影響
新品のアルミを作るには膨大なエネルギーが必要ですが、リサイクルなら約97%もエネルギー消費を削減できます。
リサイクルの5つのメリット
回収されたアルミ缶から再生地金をつくるエネルギーは、原料のボーキサイトから新しい地金をつくる時のエネルギーのたった3%でOK。
なんと97%ものエネルギーが節約できます。
そのため、リサイクルはCO₂排出量の大幅削減にもつながり、地球温暖化対策に大きく貢献しているのです。
リサイクルされたアルミ缶は何になる?再生製品6選
アルミ缶リサイクルの再生製品①再びアルミ缶として

最もよくあるパターンが、新しいアルミ缶への再生です。
アルミ缶からアルミ缶。これを水平リサイクルと言います。
>>水平リサイクルとは?
水平リサイクル等の高度なリサイクルの推進
リサイクルについては、これまで進んできた量に着目した取組に加えて、「質」にも着目した資源循環の利用促進・高度化を図る観点から、水平リサイクル(使用済製品を原料として用いて同一種類の製品を製造するリサイクルのこと。例えば、使用済ペットボトルを原料として再びペットボトルを製造する。)を推進する等、素材の性質に応じてリサイクルの質を向上させようとする取組を行うこととしている。
リサイクルされたアルミ缶は、わずか60日ほどで再び店頭に並ぶと言われています。
アルミ缶リサイクルの再生製品②自動車部品
リサイクルアルミは、自動車のホイールやエンジン部品にも使われます。
軽量かつ丈夫なアルミは、燃費向上や車両の軽量化に欠かせない素材です。
アルミ缶リサイクルの再生製品③航空機部品
航空機に求められる「軽さ」と「強さ」を両立できるというメリットも。
リサイクルアルミは航空機の骨格部品や内装材としても重宝されています。
アルミ缶リサイクルの再生製品④家具
耐久性とデザイン性を兼ね備えたアルミ製家具も人気です。
リサイクルされたアルミから作られた椅子やテーブルは、スタイリッシュでエコな選択肢として注目されています。
アルミ缶リサイクルの再生製品⑤調理器具
熱伝導に優れたアルミは、鍋やフライパン、ケトルなどの調理器具にも最適です。
リサイクル素材でも品質は新品と変わらないので安心して使えます。
アルミ缶リサイクルの再生製品⑥その他の日用品
その他にも、フェンス、窓枠、ベースボールバットなどにも生まれ変わります。
私たちの生活に身近なアイテムに、リサイクルアルミが広く使われているんですね。
アルミ缶をリサイクルするメリット
アルミ缶リサイクルのメリット①資源の有効活用と持続可能性
限りある資源を無駄にしないためにも、アルミのリサイクルは重要です。
地球資源の持続可能な利用につながります。
アルミ缶リサイクルのメリット②エネルギー消費の削減
新品のアルミを作る場合に比べて、リサイクルではエネルギー使用量を大幅に抑えることができます。
これが環境負荷の低減に直結しています。
アルミ缶リサイクルのメリット③CO₂排出量の削減
エネルギー消費が減ることで、二酸化炭素排出量も大幅にカット。
アルミ缶をリサイクルすることは、地球温暖化防止のためにも重要な役割を担っています。
アルミ缶リサイクルのメリット④経済面と地域社会への貢献
リサイクル活動は新たな雇用を生み出し、地域経済にもプラスの影響を与えています。
リサイクルにより、地元産業の活性化や循環型経済の促進にも貢献しています。
アルミ缶リサイクルの現状と課題
アルミ缶リサイクル率の推移と国際比較
日本のアルミ缶リサイクル率は、近年90%以上と非常に高い水準を維持しています。
しかし、世界全体で見ると、国によって大きな差があります。
たとえば、欧米諸国ではリサイクル意識が高いものの、発展途上国ではまだまだ課題が残っています。
アルミ缶リサイクルプロセスの課題と改善点
一方で、分別の徹底不足や回収率の地域格差といった課題も存在します。
これを改善するためには、以下の取り組みが求められます。
- 市民への啓発活動
- リサイクル技術の高度化
- インセンティブ制度の充実
まとめ
アルミ缶のリサイクルは、環境保護、資源活用、経済貢献と、さまざまな面で重要な役割を果たしています。
私たちの小さな行動が、地球の未来を守る大きな力になるのです。
今後さらにリサイクルを促進するためには、正しい分別やリサイクル意識の向上が欠かせません。
私たち一人ひとりができることから始め、持続可能な社会を目指していきましょう!