秋になると街のあちこちで見かける鮮やかなオレンジ色の柿。
昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、栄養価が高く健康効果が期待される果物です。
本記事では、柿の薬膳的な性質や効能、さらに簡単に取り入れられる活用法を詳しくご紹介します。
秋特有の「乾燥」「空咳」「熱っぽさ」といった不調が気になる方に、自然療法としてのヒントになれば嬉しいです!
Contents
薬膳で活かす柿の効能と活用法7選!体の熱・乾燥対策におすすめ
柿の薬膳的性質とは

薬膳の『性味』と『帰経』の視点から見る「柿」
薬膳では、すべての食材に「性味(せいみ)」と「帰経(きけい)」という特性があるとされています。
性味(せいみ)とは・・・
「性」とは性質。体を温めるのか、または冷やすのかを表す。
「味」はそのまま味のこと。
>>詳しくは以下引用のとおりです。
食事を考える
『性味』の性 は、性質のことでそのものがどの程度体を温めるのか、または冷やすのかを表しています。大まかに分けると、熱・温・平・涼・寒の5段階あります。味とは、 字の如くあじのことです。味の種類を『五味(ごみ)』と言われ、基本は酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(塩辛い)の五種類です。
また、帰経(きけい)とは、どの臓腑に作用するかを示します。
薬膳豆知識「帰経」
帰経とは、食材や中薬がからだの、どの臓器に影響、作用するかを示したもの。つまり、道しるべです。
色や性味によってはたらきかける臓腑も違ってきます。~中略~
現代は旬ではない野菜や果物も一年を通して手に入り便利ではありますが、やはり、その季節に本来収穫できる食材には栄養がたっぷり詰まっているので、できるだけ旬のものを積極的にとりたいですね。

つまり柿は、体を冷やし、上半身の臓器に潤いや鎮静効果をもたらす果物といえます。
特に「肺」に働きかける点をみると、“乾燥による咳やのどの違和感を感じる”秋に理にかなっていますね!
薬膳の考えから見た!柿のもつ主な効能
薬膳的に見た柿の効能は、以下のような多岐にわたります。
- 清熱(せいねつ):体の余分な熱を冷ます
- 潤肺(じゅんはい):肺を潤して咳を抑える
- 止咳(しがい):咳を鎮める
- 解毒(げどく):体内の老廃物や毒素の排出を助ける
- 利尿(りにょう):むくみの軽減、老廃物の排出を促進
- 止血(しけつ):出血傾向を抑える
このように、呼吸器系・循環器系・消化器系に幅広く働きかける万能果物なのです。
柿がもたらす薬膳の効能!健康効果7選

ここからは、柿がもつ具体的な健康効果を7つの観点から詳しく紹介します。
日常生活の中でどんな場面に活かせるのか、実践しやすいように解説していきます!
柿がもたらす薬膳の効能①乾燥した喉や咳への潤肺作用
そんなときに柿の潤肺作用が大活躍!
- 肺に潤いを与えることで咳を抑える
- 空咳・のどのイガイガ感に効果的
- 喉を使う仕事(教師・声優・接客業)の人にもおすすめ
薬に頼る前に、毎日の食事に柿を1つ取り入れるだけでも自然な体調ケアになります。
【柿】
— 漢方薬局・漢方茶房 季然堂 (@kampo_kizendo) November 11, 2017
甘味・渋味/寒性
効能:清熱・解酒毒・潤肺・止渇
適応/作用:咳、吐血、口渇、口内炎、酒毒、血便、熱による下痢、二日酔い、発熱、痔 /利尿
咳やのどの痛みなどをやわらげてくれ、風邪予防もできるので、今の時期にピッタリです☆ pic.twitter.com/WjzdCa3d9p
柿がもたらす薬膳の効能②清熱・解毒作用で二日酔い対策

お酒を飲んだ翌朝、頭が重い、吐き気がある…
そんなときにも柿が役立ちます!
- 柿に含まれるタンニンがアルコール分解を促進
- 利尿作用により体内の毒素排出をサポート
- 清熱効果で火照りやのぼせも抑える
特に飲み会が続く年末年始や秋の味覚イベントの後におすすめの自然なリカバリー方法です。
【柿はスーパーフード】
— タカヨシィ@漢方と養生の専門家 (@takayoshiii_Rin) October 23, 2024
ビタミンCをはじめ、ビタミンA(βカロテン)、カリウム、タンニンなどが豊富に含まれており特にタンニンは下痢を緩和する働きもあります。また熟した柿はアルコールを分解する酵素が含まれているので二日酔いにもおすすめ。柿のへたは生薬にも使われている凄い食材。 pic.twitter.com/8eL38SlWd4
柿がもたらす薬膳の効能③整腸作用で便秘改善
柿は食物繊維が豊富で、腸の動きを促す効果があります。
- 不溶性繊維で腸を刺激
- 渋味成分(タンニン)が腸を引き締める働きも
- 適量を守ればお腹の張りや便秘の改善に効果的
ただし、渋柿や未熟な柿の過剰摂取は逆に便秘を悪化させるため注意!
ニンゲン柿を食べすぎると便秘になるのでほどほどに〜 pic.twitter.com/LgV1PriopS
— いのうえもんぺ (@don_guri_gura) December 7, 2023
柿がもたらす薬膳の効能④干し柿の口内炎・咳止め効果
干し柿にすることで、薬膳的には寒性がやわらぎ、潤い作用がさらに高まります。
- 喉の渇き・痛みにじんわり効く
- 口内炎や声枯れ時にも◎
- 少し温めて食べるとより効果的
古来から民間療法としても使われてきた「干し柿+はちみつ」は、乾燥の季節に重宝する組み合わせです。

我が家のおすすめは、無添加柿のドライフルーツにはちみつをかけて食べること!
柿はそのままでもめちゃくちゃ美味しくて、絶対食べてほしい!!
柿がもたらす薬膳の効能⑤高血圧・動脈硬化予防への期待
柿に含まれるカリウムは、体内のナトリウム(塩分)を排出し、血圧を安定させる作用があります。
- 高血圧予防
- 動脈硬化のリスク軽減
- 抗酸化作用で老化防止にも貢献
特に中高年世代の生活習慣病予防として、おやつ代わりの柿はおすすめです。
今日の独房おやつは柿。柿はポリフェノールが大量に含まれ抗酸化作用が高い。たくさんありすぎて食い切れないので誰かもらいにきて欲しい😹 pic.twitter.com/gS5izxK7QV
— Seiya (@hosomacho1) November 7, 2020
柿がもたらす薬膳の効能⑥焼き柿で冷えを緩和
柿の「寒性」が気になる冷え性さんにも、安心して取り入れられるのが焼き柿。
- 加熱により寒性が和らぎ、温性に近づく
- 体を冷やさず咳止めや喉のケアにも◎
- 冬の朝食や寝る前のデザートにも最適
トースターで焼くだけで甘味が増して、薬膳スイーツとしても楽しめますよ♪
ヘタのところを切って、オーブンで約10分焼くだけで超簡単!
— CoCo美漢方 田中 友也です。 (@mococo321) November 27, 2024
焼き柿の完成☝︎
焼くと甘みが増えるだけでなく、咳や痰を鎮め、二日酔いなどにもオススメです。
ただ清熱の力は落ちそうですね。
体を冷やす力が弱くなるので、冷え性の人にもオススメ!
(さらに冷える人はシナモンをかけても) pic.twitter.com/kL7Q4S2tlj
柿がもたらす薬膳の効能⑦柿の葉茶・柿酢の活用
柿の実だけでなく、葉や酢にも薬膳的価値があります。
- 【柿の葉茶】…ビタミンCが豊富、免疫力アップ、カフェインレスで安心
- 【柿酢】…血流促進、代謝向上、内臓脂肪の燃焼サポート
日々の飲み物や調味料として取り入れると、自然な形で養生習慣が身につきます。

柿の葉寿司というのもあるんですよ♪
ぜひご賞味あれ!
奈良、柿の葉寿司 pic.twitter.com/ML6P9dOMrM
— Koh Igarashi 五十嵐紅 (@koh_igarashi) June 3, 2025

柿の種類と薬膳での効能使い分け
柿は「生」「干し」「焼き」など、状態によって体への作用が変わります。
薬膳では自分の体質に合った形で摂取することがおすすめです。
種類 | 特徴 | 薬膳的効果 | 注意点 |
---|---|---|---|
生柿 | 寒性が強い | 清熱・解毒・潤肺 | 冷え体質は控えめに |
干し柿 | 温性に近い | 止血・整腸・咳止め | 糖分が高いので食べ過ぎ注意 |
焼き柿 | 寒性が弱まる | 咳止め・冷え改善 | 加熱で栄養は一部減少 |
効能バツグン!柿を使った簡単薬膳レシピ
「薬膳」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、日常に取り入れやすい簡単レシピもたくさんあります。
ここでは、初心者さんでも簡単に取り入れやすい薬膳レシピをシェアします!
焼き柿の作り方と薬膳おすすめシーン
柿をトースターで焼いたら美味しいと聞いたので焼いてみました!(ヘタ部分を カットし皮はそのまま、十字に切り込みを入れてトースターで10分程度)バターがすごく合う🧈トロトロで甘味も増してて本当に美味しかった、、 pic.twitter.com/ZQrOa5SGZo
— おおでゆかこ - イラストレーター 絵本作家 (@Oderon86) November 29, 2023
作り方
- 柿を半分にカット(皮ごとでOK)
- アルミホイルに包んでトースターで約10〜15分加熱
- 柔らかくなったらスプーンでいただく
干し柿+はちみつの潤いおやつ
自家製干し柿+アトフロカマンベールチーズ+ドイツ産はちみつ+フランス産ソルト....昇天😇イッテキマス pic.twitter.com/pnE4Q3hFed
— ひろさん おみやどのひと (@Miyashita_h_) December 12, 2022
- 干し柿を1〜2個、食べやすい大きさにカット
- はちみつを少量かけて、のどの潤いケアに
- クリームチーズを一緒にいただくのもあう~~!
食後のデザートや、声を使った後のケアに最適!
柿酢ドリンク・柿葉茶の取り入れ方

- 水や炭酸で5倍に薄めて飲む(1日1杯程度)
- 食事中の飲み物としても◎
日本にはさまざまな野草茶がありますが、その中でも特にビタミンCの補給におすすめなのが「柿の葉茶」
— あるとむ|自然食×食養生アドバイザー (@arutom1031) December 12, 2024
柿の葉にはレモンの約20倍ものビタミンCが含まれていて、風邪の予防や肌の健康におすすめです。
一般に… pic.twitter.com/tgH1GPjg9j
市販のティーバッグを使用し、就寝前のリラックスタイムに
柿の薬膳活用で気をつけたいこと
柿は体質に合わせた食べ方で工夫を
- 冷え性・虚弱体質・胃腸が弱い人 → 焼き柿や干し柿がおすすめ
- のぼせや熱感がある人 → 生柿で清熱作用を活用
季節や体調に応じて、柿の「形」を使い分けることが大切です。
柿の過剰摂取による副作用に注意
柿は栄養豊富ですが、「食べすぎ」はかえって逆効果。
注意点
- 1日1〜2個が目安(干し柿はさらに少なめ)
- 食べすぎると「柿胃石(かきいせき)」という腸閉塞の原因になることも
- 特に空腹時の大量摂取は避ける
適量とって、効果UP!
まとめ:柿は体の熱や乾燥を和らげる薬膳食材として優秀
秋から冬にかけての季節は、空気の乾燥や寒暖差で体調を崩しやすい時期。
そんなときに、身近で手軽に取り入れられる柿は、まさに自然の薬箱のような存在です。
柿はただの秋の果物ではありません。
薬膳の知恵を活かして、生・干し・焼きなど状態ごとに特徴を活かし、体質に合わせた形で取り入れることで、日々の体調管理に力を発揮してくれます。
日々の食事に旬のものを上手に取り入れて、柿本来の薬膳効果を、存分に吸収しましょう!